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入浴中の突然死対策 藤本循環器科・内科講演資料
平成12年2月5日
特に長湯しがちなお年寄りが入浴中に倒れるケースが目立つ。原因は冷えた浴室とお湯の大きな温度差で心臓などに負担がかかるからだという。突然死の予防をうたった浴室も登場しており、本格的な高齢化を迎えて効果的な対策が求められる。
12〜2月で47%
入浴中に心臓発作などに見舞われるケースは寒い冬に多い。東京都監察医務院による都内の調査によれば、1988〜93年の6年間で起きた2559件の入浴中突然死のうち、12月から2月の3カ月間で1393件と、全体の47%を占めている。
【京都での入浴死の年齢と性別】
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年齢別では体が弱っている高齢者が圧倒的に多い。男性は60歳以上が84%、女性は70歳以上が82%を占めた。高齢化に伴って突然死の発生件数は増加傾向を示しており、8O年代は四百件未満だった年間件数が95年以降は六百件に達している。
健康でも油断禁物
健康であっても突然死に見舞われるケースも二割近くある。別の調査によれば、50歳代の健康な人でも心臓に栄養を送る冠状動脈に詰まった血管が見つかった人は55%おり、これは突然死の引き金になりうる。人間ドックで一応健康とお墨付きを得た人でも油断は禁物といえる。
【入浴死を防ぐために】
冬期の気温が低い時は高齢者の入浴は危険であり、体調の悪い時は、入浴をさける必要がある。
特に高血圧、心臓病のある方は気をつけましょう。
食事の直後、お酒を飲んだあとは、入浴はやめましょう。
脱衣場が寒いと脱衣時、出浴時に血圧の変動が激しくなり危険です。
高齢者のいる家庭では、冬期は脱衣場の暖房をしましょう。
熱い風呂(42℃以上)はさけ、水温を調節してから入りましょう。長湯は、体の負担が大きいのでさけましょう。
入浴中の突然死を防ぐために心掛けたい主なポイントは次の通りだ。
| 一番ぶろに入らず、お湯の温度は40度程度 |
| 入浴前に湯船のフタをはずすなど、浴室の温度を上げる工夫をする |
| みぞおちの深さでお湯につかる。ただし、体を冷やすと肺炎を起こす恐れもあるため肩にタオルをかける |
| 入浴時には家の人に声をかける |
入浴死を防ぐには「二番湯の入浴」と「シャワー給湯」を。
「高齢者以外に家族がいる場合は、家族が入浴した直後に高齢者が入浴すれば、浴室は温まり、低い湯温で入浴できる。また、独り暮らしの場合は、シャワーを使って浴槽に給湯してみては。15分程度給湯すれば浴室温は約10度上昇します」
浴室や脱衣室用の暖房機の種類も増えている。「浴室暖房乾燥機」や、給湯器で温められたミストがノズルを通して浴室に噴射され、浴室全体を温める「ミスト暖房」などがある。 一方、脱衣室用には、洗面化粧台下に埋め込む「足元組込式ファンコンベクター」、赤外線輻射暖房「壁掛け式コルツヒーター」など。 また浴室の天井に暖房機を取り付けたり、床の内側に電熱線を敷くなど、お湯と浴室の温度差の解消を狙っている。高齢者への安全性を意識した浴室は段差や浴槽の深さを小さくするなどの改良が主流だが、「既存の浴槽を改造して暖房機を設置する顧客も多い」〈TOTO〉という。こうした設備を取り入れた浴室で突然死を完全に防止できるわけでないが、高齢者に優しい入浴を心掛ける意識を高めることが重要と言えそうだ。
■事故の半数が転倒
浴室事故の中では、転倒事故がほぼ半数を占める。非高齢者と高齢者を比べると、非高齢者は浴室入室時に床面の水、せっけん、スポンジマットで滑って転倒するケースが多いのに対し、高齢者は浴槽への出入り、浴室入室時によろめいて転倒する人が多い。高齢者は肉体的な衰えから、よろめきによる転倒が増加するのだ。
「脱衣室から浴室への出入りの際、ゆっくりと入ると同時に、ドアに近い壁に手を添えることでワンクッションおけて、安定感が増します。また、浴槽に入るときも縁に両手を添え、またぎ越しをする。頭の位置も低くなり、転んだ場合も頭へのダメージを小さくすることができる」
参考文献:平成10年11月30日 日本経済新聞・健康生活、 97年7月16日産経新聞より