第24回藤本循環器科・内科講演資料 《頭痛》        平成11年1月9日

  「頭痛もち」の方は、4人に1人はいる、といわれています。 

「頭痛もちの頭痛」というのは、操り返し起こるので、「慢性頭痛」といわれます。 また脳や体にに病気がないところから、「機能性頭痛」ともいわれます。機能性頭痛は命の 心配がない頭痛です。しかしなかには、くも膜下出血や脳腫瘍など「命の危険がある」病気 が潜んでいることもあるので、気が許せません。 「たかが頭痛、されど頭痛」なのです。

 頭痛の原因 

1.血管性頭痛:頭の血管が拡張して痛む頭痛です。片頭痛も血管性頭痛の一種です。

 2.緊張型頭痛:ストレスや頭部の筋肉が緊張して起こる頭痛をいいます。

 3.脳の病気から起こる頭痛:脳腫瘍やくも膜下出血の頭痛です。 

4.眼や鼻の病気による頭痛 

5.気の病による頭痛(うつ病の頭痛など) 

6.頭の神経痛(頭にも神経痛があります) 

 成人の頭痛の頻度は、片頭痛8%、緊張型頭痛22%、その他9%です。 北里大学の坂井先生の全国調査では、15才以上の日本人の8.4%が片頭痛、22.4%が緊張型頭 痛を経験していたそうです。 約840万人の日本人が片頭痛持ちということになります。 

おもな頭痛の説明 

 片頭痛は頭の血管が腫れて痛む頭痛です。ずきずき・がんがんする頭痛です。吐き気も伴 ないます。 緊張型頭痛は頭の筋(すじ)が凝って起こる頭痛です。頭が締め付けられるような頭痛で、 重苦しいタイプの頭痛です。緊張型頭痛の軽いものは「頭重」といわれます。実は、「頭重」 も頭痛の一種です。

 脳の病気からおこる頭痛は「最近経験したことがない頭痛」の場合に心配します。

片頭痛  ずきずき 夕立(ザー)
緊張型頭痛 重い・締め付け感 つゆ(シトシト)

 頭痛が主訴の場合、「頭痛科」という標榜(ひょうぼう)科はありませんが、「頭痛外来」が あれば、そこに受診します。 脳の病気が心配な人、頭痛の検査・治療を望まれる方は、脳 神経外科や神経内科に受診をされるのがよいでしょう。 身近かにこれらの科がなければ、 内科がよいでしょう。 

医者にかかったほうがよい頭痛 

 頭痛の様子がふだんと少しでもちがったら、脳の専門医(脳神経外科・神経内科)にみても らいましょう。具体的には、    激烈な頭痛 ・  神経や精神の異常を伴う頭痛 ・  ぼけてきた  ・ 手足が不自由になった ・  見え方がおかしいなど  ・ 突然おこった頭痛  ・ だんだんひどくなる頭痛  ・ いきばったり、頭をふるとひどくなる頭痛  ・ 長期間続く頭痛  ・ 朝っぱらから頭痛がする  ・ めまいや嘔吐を伴う頭痛など

 危険な頭痛にはどのようなものがありますか?  

 くも膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎など脳の病気があげられます。 激しい頭痛を起こす病気の代表はくも膜下出血です。脳出血や髄膜炎などでも強い頭痛が起 こります。脳腫瘍は頭痛を起こす病気として有名ですが、頭痛は必発ではありません。脳の 病気以外では緑内障や急性の副鼻腔炎(蓄膿症)などでひどい頭痛が起こります。  

 日常生活の注意・心がけ  

 ひとつ言えることは、頭痛に対して「これで決まり」といった確実な治療法は一つとして ないということです。 これは頭痛がいろいろの要因にもとづいて起こることと、患者さんの側にも、個人差が大き いからです。ある患者さんによい方法が、他の人にはかえって悪かったということもありま す。気長に自分にあった対処法を見つけましょう。

 自己の頭痛の原因と誘因を悟り、回避できるものは避ける、もしくは改善する。 頭痛を和らげる方法を知り、それを実行する 過労を避ける。根を詰めない。休養をはさむ 食事・睡眠・仕事・休養について規則正しい生活を心がける 十分な睡眠をとる。とりすぎると頭痛の起こる場合もある。 ゆとりのある生活スケジュールをたてる 仕事と休養のバランス、すなわち緊張と弛緩のリズムをうまく構成する 取り越し苦労をしない 

頭痛と縁を切るにはつぎの3Rが大切です。  Rest(休息)  Relaxation(リラックス)  Recreation(リクレーション) 頭痛に限らず、一般に痛みは心理的影響が大きいものです(気の持ちよう)。 

次の表をみて、痛みを軽くするように気を持ちましょう   

痛みを軽減する リラックス 安心 快活 、喜び 痛みへの注意の分散 
痛みを増強する 緊張 不安恐怖 うつ 、かなしみ 痛みへの注意の集中

不安と痛みは仲良しです。不安は頭痛を強くします。頭痛は不安を増します(悪循環)。 

ランス博士いわく「頭痛を軽く、楽にするためには、頭痛についてできるだけよく知り、不 安をなくすことだ。不安と頭痛は手を携えてやってくる」

 聖書にいわく「喜びを抱く心はからだを養う」(箴言17:22) 

頭痛を生活全体の中で考え、うまく付き合っていく事が大切です。 孤独・消極的・憂鬱・内省的な性向(クヨクヨタイプ)の方は、頭痛についてあれこれと考 え勝ちです。これは頭痛をひどくします。

 ●頭痛のときに冷やすか暖めるか 片頭痛は暖めると悪化(血管が開くから)、冷やすと改善。 緊張型頭痛は暖めると改善(筋の血流がよくなるから)、冷やすと悪化。 治療としては  片頭痛の場合はこめかみ(頭の前)を冷やす  緊張型頭痛の場合は頭の後ろを暖める よく首筋を冷やすと頭痛が楽という方がいますが、これは神経が麻痺するための見せ掛けの 改善です。

 

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