藤本循環器科・内科講演資料 

メニエール病  

 最も代表的な内耳が原因しておこるめまいの病気です。 かつて、めまいは脳の充血でおこると考えられていましたが、1861年、フランスの耳鼻咽喉科医であったメニエールが、初めて内耳の障害でもめまいがおこることを発見しました。

 原因

  内リンパ水腫(内耳のむくみ)によって耳鳴りや難聴を伴った回転性のめまい発作を繰り返しおこす病気です。 しかし、メニエール病の内リンパ水腫がどうしておこってくるかはまだ解っていません。 メニエール病の20-40%は左右両側におこってきます。 しばしばストレスや過労が発作の引き金になります。 

症状

 めまいは非常に激しく、まわりがぐるぐる回り(回転性めまい)、これが20−30分から長いときは半日くらいまわることもあります。 めまい発作の間隔は人によってさまざまで、毎週のように発作をおこす人もいますし、何年かに1回という人もいます。 めまいが軽いときには、物が流れる感じとか、体がグラグラ・フラフラする感じのときもあります。 めまい発作と前後して耳がつまった感じや、耳鳴り、難聴が一緒に出現します。 吐き気や嘔吐、冷や汗、血圧の変動などの自律神経症状も起こります。 はじめのうちは発作がないときには聴力はもとに戻りますが、めまい発作を何回もくり返しているうちに、聴力は次第に悪くなり、もとに戻らなくなって、耳鳴りも持続するようになります。 

要点

  回転性のめまい発作を繰り返す めまいに耳鳴りや難聴を伴う 他にめまいをおこす耳や脳の病気がない めまいが全くなくて、聞こえだけが悪くなったり良くなったりを繰り返すメニエール病(蝸牛型メニエール病)もあります。 耳鳴りや難聴がなくて、回転性めまいだけを繰り返すメニエール病(前庭型メニエール病)もあります。 以前から片側の高度難聴があり、その耳が原因となってメニエール病と同じような回転性めまいを繰り返す病気があります(遅発性内リンパ水腫といいます。) 

注意 

 脳の病気で同じようなめまいをおこすことがあります。 気をつけましょう。 めまいが激しいときには、めまいがある程度おさまってから、耳鳴りや難聴に気づくことがあります。 難聴が軽い時には自分で気づかないことがありますので、早い時期に検査を受けましょう。 

頭位めまい症

  正式な病名は「良性発作性頭位めまい症」という、長たらしい名前がついています。 経過がよく、良性であり → 「良性」 発作性にぐるぐる回り → 「発作性」 頭の位置によっておこる → 「頭位」 めまいであることから、この名前がつけられました。 

原因 

 内耳の部分的な障害であるといわれています。 内耳の働きが異常に敏感になっている状態ともいわれています。

 症状

  頭をある特定の位置に動かしたり、寝返りをうったときなどに、激しい回転性めまいが起こります。 頭をそのままの位置にしてじっと我慢をしていると、回っている時間は数秒から長くて1分以内です。 しかし、本人はめまいがするとすぐ反対側を向いてしまうので、実際の時間はわからないことが多いようです。 軽い吐き気を伴うことがありますが、耳鳴りや難聴が一緒に起こることはありません。 

要点 

 頭を動かすことによって起こるめまい 短時間のめまい 耳鳴りや難聴は一緒には起こらない メモ 普段は全くめまいがしません。 安静にしているとなかなか治りません。もっとも有効な治療法は、めまいがする頭の位置を積極的にとるよう、繰り返し頭を動かす運動をすることです。 

注意 

 脳の病気で似たようなめまいを起こすことがあります。 →中枢性頭位めまい(悪性発作性頭位めまい) 

椎骨脳底動脈循環不全 

 脳に行く血管には大きく分けて、内頸動脈系と椎骨動脈系の二つがあります。 このうち、椎骨動脈系の血流量が一時的に減少しておこる病態(一過性虚血発作)を椎骨脳底動脈循環不全といいます。 50歳以上の中高年で、高血圧症、高脂血症がある人は注意が必要です。 

原因 

 動脈硬化 椎骨動脈の走行異常や狭窄 頸椎の変形症に伴う椎骨動脈の圧迫で起きます。 

症状 

 首を回したり、顔を上下に向けたり、体位を変えた時にめまいが出現します。   (静かにしていてめまい発作が出現することもあります) 回転性めまいが最も多いですが、浮動性めまいや眼前暗黒感もみられます。 めまいと同時にに視覚障害(霧がかかったように見えたり、ものが揺れて見える、二重に見えるなど)や意識障害(気が遠くなる感じや一瞬意識がなくなる)が出現することがあります。 吐き気や嘔吐、上肢のしびれ、手足の先の異常感なども出てきます。 耳鳴りや難聴が一緒に出現することはほとんどありません。 

要点 

 首の回転・過伸展による発作性めまい 脳神経の症状を伴うことがある 耳鳴りや難聴を伴うことはほとんどない メモ 中年以降に多い 高血圧症、高脂血症のある人は要注意 

注意 

 脳のCTやMRIで異常がなくても、安心してはいけません。 発作を繰り返していると将来脳梗塞に進むことがあります。

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