骨粗鬆症について
65歳以上で脊椎の曲がっている人の30%に脊椎の骨折があるといわれます。
この骨折は白人では胸椎といって胸の後ろの背骨に多いのに比べ、日本人では下部胸椎から腰椎にかけて多くみられます。これは遺伝的要素と基本的な生活の動作パターンの違いによるといわれています。65から75歳で多くみられ出すこの脊椎の骨折を減らすには60から70歳で予防することが大切と考えられます。
骨粗鬆症はWHOの診断基準では骨密度と、以前に椎体に骨折がある場合で決められていますが、この骨折が軽視されると以下の理由から問題となります。つまり、すでに骨折がある人では次の一年で約10%に骨折が再発するとのことです。骨密度が低いのみの人ではこの頻度が3%といわれますから、3倍多くみられるということです。日本では1996年に日本骨代謝学会により診断基準が作られていますが、@外傷がなく椎体骨折がある、またはA骨折はないが骨塩量が若年成人(20〜44歳)平均値の70%未満を骨粗鬆症と定義しています。
骨粗鬆症の原因は骨の新陳代謝のバランスが崩れて発症します。骨は常に古くなった骨を破壊し、新たな骨に再生するという新陳代謝をバランスよく繰り返しています。何かの原因でこのバランスが崩れると骨粗鬆症が引き起こされます。バランスを崩す原因としては加齢・カルシウム不足・運動不足・閉経後の女性ホルモンの減少・副腎皮質ステロイドの服用・腎不全などの他の疾患などが知られています。
骨量以外の骨折の危険因子としては体重が40kg以下の人(1.5倍)、脳卒中のある人(5倍)、遺伝(2倍)、またライフスタイルではタバコ(2倍)、コーヒーの多飲(3倍)、カルシウム不足や運動不足(2倍)といったものがあります。
骨粗鬆症の予防には、栄養バランス特にカルシウム(日本人は厚生省の提示している必要量一日600mgを達成していない)を多く摂るように心がけることが大切です。また、体を動かさないと筋肉が落ち、骨も弱くなるので骨を鍛えるためにも適度な運動をしましょう。たとえば運動は1週間に一時間程度でも結構です。また、老人で多くみられる大腿骨頸部骨折を防ぐには片足立ちなどバランスをよくする運動も有効と思われます。とにかく重力に逆らうことが大切ですので、寝てばかりいてはいけません。
カルシウムは一日800mg:普段の食事プラス牛乳一本と豆腐半丁程度に。
日光浴でビタミンDを:ビタミンDはカルシウムの体内への取り込みを促進。
ビタミンDを多く摂る:鰹・マグロ・椎茸・ごま・大豆・チーズなど
最近、診断と治療効果判定に従来のレントゲンや超音波による骨密度の測定のみでなく、血液検査で骨代謝マーカーを調べることができるようになりました。また、新しい薬も段々増えてきています。しかし薬に頼らず自分で出来ることは行いたいものです。